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第2号、2011年6月3日発行
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朝鮮半島西南端全羅南道新安郡の島嶼めぐり (印刷用pdf)

永野慎一郎(Ph.D.

アジア近代化研究所理事、東アジア政経アカデミー代表

2011427日から58日にかけて、朝鮮半島西南端の全羅南道新安郡の島嶼めぐりをした。新安郡は1,004島嶼(有人島72・無人島932)からなっている行政単位で、総面積654.84㎢、総人口45,29421,879世帯)の天然資源に恵まれた長寿村。少子高齢化が進展し、60歳以上が35%を占め、20歳以下は15%未満にすぎない。面積は淡路島(592.26㎢)より広いが、人口は淡路島(143,025名)の3分の1以下である。60歳代7,596名、70歳代6,268名、80歳代1,697名、90歳代191名、100歳以上7名。90歳以上になると圧倒的に女性が多い。100歳以上は女性ばかり。まさに老女天国なのだ。
 しかし、ここにも問題がないわけではない。農業・水産業が主な産業であるこの地域は離農現象が激しく人手不足を余儀なくされ、木浦などの都会から日雇い労働者を雇っているのが現状である。この地域の名産物の天日塩は世界有数の良質の宝庫といわれる。今年は東日本大震災の影響で、韓国国内で塩の買いだめが始まると、塩の値段が6倍、7倍にも上昇し、この地域の天日塩が見直される結果となった。
 今回の訪問は、経済成長が急速に進展してきた韓国の中でも、最も開発が遅れている新安地域の実態調査のための探訪であった。すでに大手企業が天日塩の加工生産に目をつけており、外部からも業者が移住し、ネギなどの大量生産を始めている。しかし、天然資源はまだ有効に活用されているとはいいきれない。まずは離農した人々が再び故郷に戻り、今まで培った機能と経験を活かして地域開発に乗り出せば、村は活気に満ち、生産活動がさらに活発になるに違いない。そうすれば、外部からの投資も増加し、豊かで住みやすい島嶼になるのではないかと思う次第である。
 島嶼であっても島と陸地とは橋で連結され、道路も整備されているので、木浦から自動車または快速艇で1時間もすれば到着できる距離である。また、フェリーも運行しているので、自動車で島々を回ることもできる。夏季になると海水浴場を訪れるたくさんの観光客でにぎわっている。
 自然と共生し、環境を生かしながら新しいタイプの地域づくりが必要であると考える。それには日本の協力が必要である。下の写真は島嶼訪問時に撮影したものである。

  

島に設置された風力発電                天日塩の塩田

   

 稲の苗床で作業する島の農婦たちを        農作業を終え、昼食を共にする農民たち

  激励する元国会議員

  

 離島の農村風景                  畑と墓地と家屋が混在している

  木浦から高速艇で1時間の離島・ビグム島
  隣島・徒草島との間に橋で連結されている


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